【2024年版】静かな恐怖 雰囲気が怖いおすすめホラー小説

書評
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ホラー小説といえば、恐ろしい事件や怪奇現象に巻き込まれて、恐怖と戦いながら、最後には希望や救いがある、というストーリーが王道ですよね。
今回紹介するのは、これは心霊現象なんだろうか、呪われてしまったのか、いや、気のせいかもしれない。でも、何だか背筋が冷えるような、そんな音もなく忍び寄ってくる恐怖を感じるホラー小説です!

三津田 信三氏の幽霊屋敷シリーズ(中央公論新社)。読む順番は以下の通りです。
1.「どこの家にも怖いものはいる」
2.「わざと忌み家を建てて棲む」
3.「どこの家にも怖いものはいる」

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一作目「どこの家にも怖いものはいる」

あらすじ

三間坂という編集者と出会い、同じ怪談好きとして意気投合する作家の三津田。その縁で彼の実家の蔵から発見された「家」に関するいくつかの記述を読むことになる。だが、その五つの幽霊屋敷話は、人物、時代、内容などバラバラなはずなのに、奇妙な共通点が……。しかも、この話を読んだ者の「家」には、それが訪れるかもしれないらしい。最凶の「幽霊屋敷」怪談登場!

一言

怪談好きの作家と編集者が、複数の家に関する怪異についての文献を読み、考察する、という構成。
文献によって、主役が主婦だったり、学生だったり、とそれだけで短編小説になりそうなくらい、しっかりとした内容になっております。
最初に感じるちょっとした違和感から、徐々に自分へ向けられる怪異、気づけば、もう逃れられない状況にーー。
複数の怪談を読んだ後は、考察タイム。謎が明らかになってくる過程は、推理小説を読んでいるようです。

二作目「わざと忌み家を建てて棲む

あらすじ

「幽霊屋敷って一軒だけで充分に怖いですよね。それが複数ある場合は、どうなんでしょう」
知り合いの編集者・三間坂が作家・三津田の元に持ち込んだのは、曰くある物件を継ぎ接ぎした最凶の忌み家、そしてそこに棲んだ者達の記録。誰が、何の目的でこの「烏合邸」を作ったのか? 怖すぎると話題になった三津田信三の「幽霊屋敷」怪談、再び!

一言

一作目と同様、主人公の異なる語り手による怪談が、いくつも読めます。やはり、状況描写がとても上手いので、一人で家で読んでいると怖くなりました。
ちょっとラストは突飛な感覚はありましたが、読み応えはあります。一冊で、何冊もの怪談を読んだ気分になるお得感が良い。

三作目「そこに無い家に呼ばれる」

あらすじ

もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。

作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。
そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。
最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作!

一言

一作目も二作目もそうですが、あらすじにある通り、途中で読者へ注意喚起が入るんですよね。以前、読んだ「忌録: document X」(※別の記事で紹介します)を思い出しました。こっちは、「見たらXXX」という感じで、その時は本当にページめくるのをためらいました。(結局は見ましたし、もちろん何も起きてないです。)
こういう、読者への語り掛けがあると、一気にリアリティが増しますね。

まとめ

幽霊屋敷シリーズ、いかがでしょうか。
びっくり箱のような怖さはないが、ひんやりとした怖さを感じる、一度は読んでほしい作品です。
特に夜に一人で読むのをお勧めします。最高の読書体験になるでしょう。

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