謎解きシーン最長?『紅蓮館の殺人』が良い

紅蓮館の殺人 書評
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あらすじ

山中に隠棲した文豪に会うため、高校の合宿を抜け出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。これは事故か、殺人か。葛城は真相を推理しようとするが、住人や他の避難者は脱出を優先するべきだと語り――。タイムリミットは35時間。生存と真実、選ぶべきはどっちだ。

おすすめポイント

  1. 山火事&からくり仕掛けの館が舞台
  2. 話の半分くらいが謎解きシーン

おすすめ1.山火事&からくり仕掛けの館が舞台

現代を舞台にしたクローズドサークル作品だと、スマホ等の通信機器を使えないような状況設定をしないといけません。
現代と言いながら、80年代とかスマホが普及していない時代接待にしたり、雪山や孤島など電波が届かない場所で嵐や台風などで道が塞がれる、みたいな・・・

この作品は、山火事で電気が届かなくなり、かつ火事で回りを取り囲まれて、下山も出来なくなった館という舞台設定で、通信機器問題をクリアしています。

最近は、どうやって通信機器を封じるのかという観点も、ミステリの楽しみ要素の一つとなっております。

物語の舞台となる館も、あちこちに仕掛けが施されている、ミステリ御用達の設定で、わくわくします。仕掛けが複雑だとどうなっているのか、文章で分からないこともありますが、当作品では図が入っているので、問題なし!

おすすめ2.話の半分くらいが謎解きシーン

ちょうど半分ほどを読み終えたあたりから、探偵たちの謎解きが始まります。
読みながら、え?もう?と思ったくらいです。

山火事が迫っている状況で、合間に脱出方法を模索していたりするので、ラストまでずっと謎解きと言うわけではありません。

よく考えたなと感心するほど、謎が複雑に作りこまれていて、しっかり本格ミステリの定義にもあてはまっています。

読者にも、探偵と同じ情報が与えられている、っていうやつですね。

犯人が誰か、考えながら、読んでいましたが、やっぱり分からず・・・。
2時間ドラマとかなら、犯人はこの人かなーみたいな勘が働くんですが・・。

謎が解かれた後も、また別の謎が残っていて、と、何回も探偵が謎解きします。
半分くらいは謎解きシーンだったんじゃないかと思ってます。(ページは数えてません。)

状況設定や登場人物は、突飛な設定なのに、謎解きは論理的で、最後まで楽しめました。
館シリーズとして、続きの作品があるようなので、もちろん読むつもりです!

書評
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パグとのシングルライフ

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